Particlight業務日誌

福岡ではたらくIT、作曲、デザイン系フリーランスParticlightの業務日誌です。業務に無関係な内容が多いです。

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ROMが文化を滅ぼす

リチャード・ストールマンだったか誰かが来日講演した際、講演中の(他の聴講者たちの前での)質問タイムには誰も質問しないのに、講演終了後には列をなして質問しに来るのに腹を立てたという話をどこかで目にしたことがある。

いわく、講演中に質問をすればそのフィードバックは講演の参加者全員になされるが、講演後であればフィードバックは質問した当事者にしかなされない。同じことをしてフィードバックを最大化するのはITの最大の特長であり特権である。コンピューターサイエンスの権威が気にするのはもっともである。

この、人前で質問するのが恥ずかしいという感覚は日本に多い傾向だという。私も恥ずかしいタチなのでよくわかる。

似たようなものにインターネットでの『ROM』がある。ROMとは、Read Only Memberの頭字語(アクロニム)で、主にネット上で発言をせずに他の人の発言を読むだけの人のことを指す。

ROMの多いコミュニティーは厄介である。問題のある発言をする人が多いコミュニティーも厄介だが、そういう場合は最悪問題のあるメンバーを出入り禁止にすれば(直接的には)いい話だが、ROMはそうもいかない。ROM禁止なんてフレーズを掲げていたウェブサイトを1990年代や2000年代にはたまに見かけたが、あれも効力があるものではないので実際に問題を解決することはないし、そもそもROMは別に積極的に悪いことではないので規制するのもいささか変な話である。

しかし、発信を続けている側から見れば、ROMに対する心証が悪いのは確かである。ずっとROMばかりされていると、自分はコンテンツ生成機じゃないっつーのという感覚に襲われ、やる瀬なくなることがある。ブログのように情報の発信を主とするコンテンツならそのような感覚にはならないが、チャットルームやSNSのように誰でも気軽に書き込めるコンテンツなどではROMが多いと切なくなることも多いであろう。

これに近い話で、pixivの投稿をいつも待っているような自分の好きな絵師がいたけれど、その絵師が誰からも感想を得られなかったためにモチベーションが下がり、活動をやめてしまったなんて話も聞く。これもROMの悪い例と言えよう。後から残念がっても遅いのである。

やはり拙くてもいいからまずは発信するのが大事であり、自分の発言がノイズになるとかいう心配はそのあとにした方がよさそうである。『巨人の肩に乗る』のが文化発展の基本であるように。

 

 

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